最近、健康に良いと話題の酒粕
そんな酒粕とは一体何者なのでしょうか
なぜ健康と言われているのでしょうか?
今回は酒粕の正体と、その魅力、酒粕の栄養成分について詳しくお伝えします!
本記事の内容
酒粕って何?
酒粕とは、日本酒のカス
酒粕とは日本酒を作る際にできる搾りカスのこと
日本酒の原料はお米ですが、日本酒は透明で液体ですよね
これは仕込みの最後にお米(もろみ)を搾ることで液体を取り出してろ過しているからです。
その搾りカスが酒粕というものです
酒粕はお米+微生物でできる
日本酒はお米と水でできています。
お米を発酵することで
アルコールを含み、芳醇な香りがする日本酒が出来上がります。
日本酒を搾ったかすの酒粕、
その中には麹菌や酵母、乳酸菌といった沢山の微生物が住んでいます
元は私たちが毎日食べているご飯と同じお米ですが、
目に見えない微生物が働くことで、全く味も形も違う食べ物、酒粕になるのです。
酒粕(日本酒も)は住んでる微生物の種類(酵母の種類)や発酵期間によっても味が変化してくるのです。
味の変化も自分で楽しめるのも酒粕の魅力の一つです。
酒粕に含まれる栄養成分は?
酒粕の栄養成分はお米由来の成分がほとんどですが、いくつか特徴的なものがあります。
タンパク質、アミノ酸
酒粕にはタンパク質やアミノ酸が豊富に含まれています。
タンパク質(アミノ酸)は人の筋肉や皮膚、酵素、免疫などにとても重要な栄養素。
アミノ酸はタンパク質が分解されてできるものです。
酒粕には、醸造過程における麹菌の酵素の働きで、お米のタンパク質がアミノ酸に分解されるため
アミノ酸がとても豊富に含まれています。
アミノ酸はタンパク質が分解されたものなので、
タンパク質より、早く吸収することができます。
人に必須のアミノ酸は9種類あり、これらをバランスよく摂取することが理想(※1)と言われていますが
酒粕にはそのアミノ酸が全て含まれているのです。
このアミノ酸の多さ、種類のバランスの良さが、酒粕甘酒が飲む点滴とも言われる理由の一つです。
100gあたりの必須アミノ酸含有量 (※2)
食品成分 | イソロイシン | ロイシン | リシン | メチオニン | フェニルアラニン | トレオニン | トリプトファン | バリン | ヒスチジン | アミノ酸合計 |
米 | 240mg | 500mg | 220mg | 150mg | 320mg | 220mg | 84mg | 350mg | 160mg | 6000mg |
ご飯 | 91mg | 190mg | 83mg | 61mg | 120mg | 84mg | 35mg | 130mg | 61mg | 2300mg |
酒かす | (660)mg | (1400)mg | (690)mg | (640)mg | (800)mg | (680)mg | (200)mg | (940)mg | (420)mg | (17000)mg |
身体の代謝をサポート!ビタミンB群と亜鉛が豊富
酒粕はビタミンB2,ビタミンB6,葉酸と言ったビタミンB群や
亜鉛が多く含まれています。
これらは身体の代謝にとても重要な栄養素です。
各栄養素の役割(※1)
- ビタミンB2→脂質をエネルギーに変える代謝をサポート、欠乏すると口内炎や皮膚炎に
- ビタミンB6→アミノ酸代謝をサポート、欠乏すると皮膚炎や、うつ状態になることも
- 葉酸→DNA合成に必要、細胞増殖に関与するため妊娠
- 亜鉛→体内の酵素の構成要素、欠乏すると皮膚炎や味覚障害に
これら栄養素は酒粕の原料であるお米、ご飯よりも多く含まれています。
(水分量は違いますが、水分量換算をしても酒粕に豊富に含まれていることがわかります)
その理由は、酒粕は搾りカスのため、成分が濃縮されている他、
ビタミンB群に関しては、
醸造の途中で麹菌や酵母によって生産・増強されるため
お米と比較して非常に豊富に含まれています。
100gあたりの各栄養素の含有量(※2)
食品成分 | エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維総量 |
米 | 358kcal | 14.9g | 6.1g | 0.9g | 77.6g | 0.5g |
ご飯 | 168kcal | 60g | 2.5g | 0.3g | 37.1g | 1.5g |
酒かす | 227kcal | 51.1g | 14.9g | 1.5g | 23.8g | 5.2g |
食品成分 | 鉄 | 亜鉛 | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | 葉酸 |
米 | 0.8mg | 1.4mg | 0.08mg | 0.02mg | 1.2mg | 0.12mg | 12μg |
ご飯 | 0.1mg | 0.6mg | 0.02mg | 0.01mg | 0.2mg | 0.02mg | 3μg |
酒かす | 0.8mg | 2.3mg | 0.03mg | 0.26mg | 2mg | 0.94mg | 170μg |
腸活にも◉便秘の解消が期待できる!
酒粕には便秘の解消をサポートしてくれる成分が数種類含まれています!
不溶性食物繊維、レジスタントプロテイン、酵母由来のβグルカンと言った
人の消化酵素では消化できない成分が含まれています
これら成分が
消化吸収を担う「腸」で脂肪を絡めとって一緒に排泄してくれたり
腸内細菌の餌になってくれて(※3)
腸内環境を整えるサポートをしてくれるのです。
酒粕を定期的に摂取して腸美人になりましょう♪
食べる時の注意点
体に良いと言われる酒粕ですが、8%ほどのアルコールが含まれてるので注意が必要です。
小さいお子さんや妊婦さん、アルコール弱い方はよく加熱してから使用することをお勧めします♪
参考文献
(※1) 2020年版 日本人の食事摂取基準
(※2) 文部科学省 食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/
(※3) 日本醸造協会誌 2015 年 110 巻 4 号 p. 198-206 清酒及び醸造副産物の機能性